全員登校の初日に先生方に伝えたこと
臨時休校後、久しぶりの全員登校でした。子どもたちが帰った後の職員会議で、私(校長)から先生方にこんなことを伝えました。
「分散登校、そして、全校登校という今週でした。
先生方は、子どもを見てたくさんのことを感じた1週間だったと思います。
・ 久しぶりに学校に来た子どもたちのパワー
・ 友だちと会えた子どもたちの喜び
・ みんながそろわないことへのさびしさ
・ 表情がすぐれない子どもとその原因
・ 格段に成長した子どもの姿とその原因
・ 想像以上にマイナス方向に走っている子ども
・ ゲームのことでしか会話ができない子ども
・ 学校生活や早起きに順応できない子ども
・ 友だちとの距離感を測っているような子ども
・ 忘れ物が激しい子ども
・ 10時まではあくびばかりしているのに、帰る頃は元気いっぱいな子ども
・ 感情をコントロールできない子ども
・ いつも体のどこかが動いている子ども
・ 指示を最後まで聞くことができない子ども
・ すぐ疲れてしまう子ども
・ 必要なことすら話せなくなってしまった子ども
・ 先生と会えたことを言葉で表現してくれる子ども
・ がんばって手を挙げようとしている子ども
・ どう見ても宿題をやっていなくて、それを自分の非に感じている子ども
私たちは、こういういくつもの「子どもから感じたこと」をこれからの教育に反映させなくてはなりません。しかし、それは焦ってはいけません。
自由に外出すらできなかった長い休みを終えた今、うまくいくことより、うまくいかない方が多いのは当たり前なのです。
「当たり前のことを当たり前にする。」
いろいろなことが未熟な私は、この言葉が苦手です。
当たり前にしようと思っても、当たり前にできない自分がいつもいるのです。
当たり前って何?
当たり前の世の中ではなくなった今、当たり前を他人に要求する前に、当たり前にできないことは、「ふつう」なのではないでしょうか。
そんな中で、当たり前のことをしてくれる子どもには、大きな称賛と感謝をしてあげたいと思います。
こんなことがありました。
ある子がバスに酔ったのだと思いますが、スクールバスからその子が降りた瞬間に、気分が悪くなって歩けなくなってしまったのです。
バスのまわりには、誰も大人がいませんでした。
その時、一人の高学年の女の子が、走り始めました。自分の前には、他のバスから降りた子どもの列が長く続いているのに、その人の波を縫うようにして、ミニストップの前にいるかもしれない私を探しに来たのです。そして、私に状況を伝えてくれました。現場に駆けつけると確かに困っている子どもがいました。高学年の子が教えてくれたからこそ、私はその子どもを助けることができました。
まわりに大人が誰もいない時、その女の子は、どこに行けば助けてくれる大人がいるかを考え、最善と思える行動を考え、実際に行動してくれたのです。雨が降る中です。約一か月ぶりに登校したその日に、その子はそれができたのです。
考えてみれば、新学期が始まって2週間足らずで休校になってしまいました。
まだ4月の第3週目が終わったばかりと考えていいのではないでしょうか。
焦らず、じっくりと小さな小さなその子のよさを探していってあげたいと思います。
だめなことは、たくさんあると思いますが、だめなことがあるのは、当たり前なのではないでしょうか。
うまくいかないこと、悩むこと、悔やむこと、それらは、当たり前なのです。
少しずつ、少しずつでよいので、毎日の教育を良い方向に向けていきましょう。」
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